嘘と詭弁の総理大臣を弾劾する!

嘘と詭弁の総理大臣を弾劾する!

 

少し以前だが、安倍総理は、あるインタビューにて以下の発言をしている。

憲法を戦後、新しい時代を切り開くために自分たちでつくったというのは幻想だ。昭和21年に連合国軍総司令部(GHQ)の憲法国際法も全く素人の人たちが、たった8日間でつくり上げた代物だ」
http://www.msoku.net/archive/entry-1781.html

また、以下のごとき報道もあった。

安倍首相の憲法観「餓鬼の議論」=民主幹事長
 民主党枝野幸男幹事長は22日の記者会見で、安倍晋三首相の憲法観について「『連合国軍総司令部(GHQ)の素人がたった8日間でつくりあげた代物』と言う方がよっぽど餓鬼の議論だ」と批判した。首相が20日のBS番組で「民主党が私の憲法に対する認識がおかしいから(憲法の議論は)嫌だと言っているが、子供じみた議論だ」と述べたことに反論した。(2015/04/22-17:05)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201504/2015042200722&g=pol

 

だが、首相の言う「連合国軍総司令部(GHQ)の憲法国際法も全く素人の人たちが、たった8日間でつくり上げた代物」というのは、全くの虚偽である。
確かに、日本国憲法の原案は、GHQの民政局が中心となって作り上げたものである。押し付けられた側面があることも否定できない。しかし、安倍総理の認識と発言には、根本的かつ(恐らくは意図的な)悪意に満ちた事実誤認がある。

まず、「全くの素人たち」というが、1946年当時の民政局のメンバーには、約25名のスタッフの中に、法律や行政、財政の等プロが10人いる。民政局全体を取り仕切った『運営委員会』のメンバーは、以下の3名である。

 ケーディス大佐(民政局次長)=弁護士
 ハッシー中佐=弁護士、法学博士
 ラウエル中佐=弁護士、法学博士

この運営委員会の下で、
 「立法権に関する小委員会」に、
   スウォーブ中佐=下院議員
   ハウギ中尉=ジャーナリスト
 「行政権に関する小委員会」に、
   エスマン中尉=政治学博士
 「人権に関する小委員会」に、
   ロストウ中佐=社会学博士
   エマーソン・ワイルズ=大学教授
 「地方行政に関する小委員会」に、
   ティルトン少佐=大学教授
 「財政に関する小委員会」に、
   リゾー大尉=エコノミスト
(出典)福永文夫『日本占領史』(中公新書

このメンバーに対して、いったい何を根拠に「素人達」などと言う暴言を吐くのか?

私には「ためにする発言」としか考えられない。恐らく、目的は「素人達に押し付けられた屈辱的憲法など改憲するのが日本人として当然だ」という世論を喚起することであろう。首相の発言が事実に基づくものか否か、いちいち確認しない(できない)一般人、生活人の弱点につけ込んだ詐欺的かつ戦略的発言と判断すべきである。

 

つい先日、アメリカ議会で拍手喝采に浴した総理であるが、私はこの男を、1ミリたりとも信用しない。なぜなら、本物の嘘付きだからだ。平気で嘘をついて、何ら良心の呵責を感じない人間だからだ。